ゴアテックスを採用したアウトドアウェアは、優れた防水性と透湿性で知られていますが、この高機能を維持するには適切なケアが欠かせません。実は、定期的な洗濯こそがウェアを長持ちさせる秘訣なのです。今回は、ゴアテックスとアークテリクス、ザ・ノース・フェイス、パタゴニアの担当者の声をもとに、アウトドアウェアの正しい洗濯方法をご紹介します。
なぜ定期的な洗濯が必要なのか
ウトドアウェアも衣類の一種。着用することで、目に見えなくても汚れが付着し、放置すると生地の劣化を招きます。特に、ウェアの首筋の黄ばみは要注意。アークテリクスの担当者は、「襟に皮脂の汚れが見えたら、その時点ではもうほぼ落ちない」と警鐘を鳴らします。
また、ゴアテックス製品の表面は撥水剤でコーティングされており、これが水をはじく働きをしています。しかし、汚れの付着や摩耗で撥水性能が低下すると、生地に水が浸透し、透湿性能にも悪影響を及ぼします。つまり、ウェア内部の蒸れや結露を招く可能性があるのです。
洗濯することで、こうした汚れや撥水性能の低下を防ぎ、製品寿命を延ばすことができます。パタゴニアの担当者は、「洗ってダメになることはない。洗うことで長持ちすると明確に言い切れる」と断言しています。
洗濯の頻度は?
着用頻度にもよりますが、1週間に1回程度の洗濯が理想的。
特に、街着としてカジュアルに使う人は、アウトドアでの使用よりも汚れが付着しやすいため、こまめな洗濯が大切です。
洗濯方法のポイント
- 液体洗剤を使用し、洗剤の量は控えめに
- 40℃以下のぬるま湯で洗濯
- すすぎは2回以上しっかりと
- 脱水は短時間で軽く
- 乾燥は日陰干しが基本、乾燥機を使う際は中温で
洗濯だけで撥水性能は回復する?
洗濯して汚れを落とすだけである程度の撥水性能は回復します。さらに、アイロンなどの熱を加えることで大幅に回復。
ただし、摩耗による撥水性能の低下は、市販の撥水剤によるコーティングが必要な場合もあります。
ゴアテックス2025年問題とは
2025年秋冬から、ゴアテックス製品は環境への影響が懸念されるPFASを使用しない素材に全面移行します。これに伴い、撥水性能を持続できる期間が短くなるため、ユーザーにはより一層、定期的な洗濯をする習慣づけが求められるのです。
まとめ
ゴアテックスを採用したアウトドアウェアは、定期的な洗濯によって汚れや撥水剤の劣化を防ぎ、長持ちさせることができます。週に1回程度のお手入れを習慣づけ、ウェアの性能を末永く維持しましょう。特に、2025年以降はメンテナンスがより重要になってくるため、ブランドを越えた取り組みにも注目が集まります。大切なアウトドアウェアを、正しいケアで長く愛用していきたいですね。