Intelが新しいLGA 1851ソケットとZ890チップセットを発表し、PC自作界に新たな風が吹き込んでいます。今回は、この新プラットフォームを搭載したGigabyte Z890 AORUS Masterマザーボードを詳しくレビューしていきます。価格は約￥111,000と、ハイエンド志向のユーザーをターゲットにしていますが、その価値に見合う性能と機能を備えているのでしょうか？
Intel LGA 1851プラットフォームの概要
IntelのLGA 1700ソケットは2021年に登場して以来、第12世代Alder Lake、第13世代Raptor Lake、そして第14世代Raptor Lake Refreshと、3世代のCPUをサポートしてきました。今回のLGA 1851ソケットは、次世代のArrow Lake CPUに対応する新しいプラットフォームです。
Z890チップセットの主な特徴：
- 合計48レーンのPCIeサポート（CPU・チップセット合わせて20レーンがPCIe Gen 5.0）
- 最大24レーンのPCIe 4.0サポート
- 豊富なUSBポート（USB 3.2 Gen 2×2、Gen 2、Gen 1）
- 最大8ポートのSATA III接続
メモリサポートと接続性
Z890マザーボードの大きな特徴は、強力なメモリサポートです。
- DDR5-6400（ネイティブ）対応
- XMP使用時に8000 MT/s以上の高速動作が可能
- 最大192GBの大容量メモリをサポート
接続性においても、最新のテクノロジーを採用しています：
- Thunderbolt 4ポート（最大2ポート）
- Intel Killer Wi-Fi 6E
- Bluetooth 5.3
- 2.5ギガビットイーサネット
オーバークロッカー向けの新機能
Z890プラットフォームは、オーバークロッカーにとって魅力的な新機能を多数搭載しています：
- きめ細かなコアクロック調整（16.6 MHz単位）
- デュアルベースクロック
- タイル間およびファブリックのオーバークロック
- DLVRバイパス機能
- Intel eXtreme Tuning Utilityの拡張
- 高度なメモリオーバークロック機能
- P-coreとE-coreの個別オーバークロック
- 低温時の電圧上限解除
Gigabyte Z890 AORUS Masterの特徴
Gigabyte Z890 AORUS Masterは、Z890チップセットの特徴を最大限に活かしたハイエンドマザーボードです。
- 高品質な電源回路設計
- 効率的な冷却システム
- 豊富な拡張スロットと接続オプション
- 洗練されたデザインと高級感のある外観
パフォーマンスと使用感
実際の使用感では、Gigabyte Z890 AORUS Masterは期待通りの高いパフォーマンスを発揮しました。特に、メモリのオーバークロックにおいて優れた安定性を示し、8000 MT/s以上の高速動作も問題なく行えました。
また、BIOS設定の豊富さと使いやすさも特筆すべき点です。初心者からプロのオーバークロッカーまで、幅広いユーザーに対応できる柔軟性を備えています。
価格と購入方法
- 製品名: Gigabyte Z890 AORUS Master
- 公式サイト: Gigabyte Z890 AORUS Master
- 価格: ￥110,909 税込
- 購入方法: Amazonなど
まとめ
Gigabyte Z890 AORUS Masterは、新しいIntel LGA 1851プラットフォームの可能性を最大限に引き出すハイエンドマザーボードです。約￥111,000という価格は決して安くはありませんが、最新のテクノロジーと高い拡張性、そして優れたオーバークロック機能を求めるエンスージアストにとっては、十分な価値があると言えるでしょう。
ただし、一般ユーザーにとっては少々オーバースペックな面もあるため、自分のニーズに合わせて選択することが重要です。新しいプラットフォームの登場により、PCの自作やアップグレードを考えている方には、検討の価値のある製品と言えるでしょう。