イーロン・マスク率いるX社(旧Twitter)と、非営利組織Media Matters(メディア・マターズ)との間で繰り広げられてきた激しい法的論争が、ついに裁判所での決着へと向かうこととなりました。2023年後半、マスク氏は反ユダヤ主義的なコンテンツがX上に蔓延しているというメディア・マターズの主張に対し、徹底的な反撃を約束していました。その後すぐにX社が提起した「Thermonuclear Lawsuit(核爆弾級訴訟)」と称される訴訟が、今回ついに注目度の高い裁判へと発展することになったのです。
広告主の大量離脱を引き起こした2023年の騒動
2023年後半、アップル、ディズニー、コムキャスト、IBM等の大手広告主がX上での広告掲載を停止するという事態が発生しました。これは、メディア・マターズがIBMの広告の隣に反ユダヤ主義的なコンテンツが表示されていることを示したことがきっかけでした。
この広告主のボイコット運動の波が広がる中、マスク氏はメディア・マターズに対して不正行為を主張する訴訟を起こしました。X社の内部調査によると、メディア・マターズは「極端で偏ったコンテンツ」を定期的に投稿するアカウントと大手広告主のアカウントで構成されるフィードを意図的に作成し、それを何度も更新することで望む結果を得ようとしたとされています。
X社の主張とメディア・マターズの反論
X社の訴状では、メディア・マターズの行為について次のように述べられています:
“[Media Matters] resorted to endlessly scrolling and refreshing its unrepresentative, hand-selected feed, generating between 13 and 15 times more advertisements per hour than viewed by the average X user repeating this inauthentic activity until it finally received pages containing the result it wanted: controversial content next to X’s largest advertisers’ paid posts.”
「メディア・マターズは、代表性のない、手作業で選別されたフィードを際限なくスクロールし更新し続け、平均的なXユーザーが1時間に見る広告の13〜15倍もの広告を生成しました。この不自然な行為を繰り返し、ついには望む結果を得ました:X社の大手広告主の有料投稿の隣に物議を醸すコンテンツが表示されたページです。」
一方、メディア・マターズはマスク氏の訴訟を「根拠のない」ものだと一貫して主張し、これはX社の批判者を沈黙させるための「いじめ」だと反論しています。
裁判に向けて動き出した法廷闘争
今回の展開では、リード・オコナー連邦地裁判事がメディア・マターズによる訴訟棄却の申し立てを却下し、X社の「訴えは適切に主張されている」と判断しました。これにより、両者の法廷闘争が本格的に始まることになります。
この動きは、マスク氏とX社の大手広証主との間で続く緊張関係の中で起こっています。過去にマスク氏は、ボイコットを行う広告主に対して強い言葉で不満を表明したこともあります。
まとめ
イーロン・マスク率いるX社とメディア・マターズとの間の「核爆弾級」訴訟が、ついに裁判所での決着に向けて動き出しました。この裁判の結果は、SNSプラットフォームにおける言論の自由と広告主の権利のバランス、そしてコンテンツモデレーションの在り方に大きな影響を与える可能性があります。テクノロジー業界と法曹界の注目が集まる中、この裁判の行方が今後のソーシャルメディアの未来を左右するかもしれません。コピー